問題:弾性力
図1(a), (b)に示すように軽い糸を介してばねと小球を取り付けて静止させた。
小球の質量はいずれも\(m\)、ばね定数は\(k\)であり、重力加速度の大きさは\(g\)とする。
以下の問いに答えよ。
問1 図1(a)のばねの伸びを求めよ。
問1 図1(b)のばねの伸びを求めよ。
〔解答と解説〕
問1
答え:\(x = \frac{mg}{k}\)
この問題では、力のつり合いと作用反作用の法則を上手く活用して解きます。
まず図2のように小球に働く力を書き出しましょう。小球はこれらの力によって静止しているので、
\(0 = T_1 – mg\)
という力のつり合いが成り立ち、これを解いて\(T_1 = mg\)を得ます。
次に、軽い糸であれば、その糸上で張力は等しくなるので、
図3のように糸とばねの接点における張力も\(T_1 = mg\)となります。
そして、ばねはこの力で引っ張られているので(図4)、フックの法則\(F=kx\)を用いて
\(
\begin{align*}
F &= kx\\
T_1 &= kx\\
mg &= kx\\
x &= \frac{mg}{k}\\
\end{align*}
\)
と求まります。ちなみに、この式変形で意味していこととは、フックの法則における弾性力\(F\)に
等しい力\(T_1\)が働いており、\(T_1\)は\(mg\)であることが分かっている、という流れを表わしています。
問2
答え:\(x = \frac{mg}{k}\)
この問題も問1と同様の考え方で、力のつり合いと作用反作用の法則を活用して解いていきます。
重複する部分が多いので、問1で考え方を理解した人は適宜読み飛ばしてください。
まず図5のように左右の小球に働く力を書き出しましょう。左右の小球はこれらの力によって静止しているので、
\(0 = T_1 – mg\)
\(0 = T_2 – mg\)
という力のつり合いがそれぞれの小球に成り立ち、これを解いて\(T_1 = mg, T_2 = mg\)を得ます。
次に、軽い糸であれば、その糸上で張力は等しくなるので、
図6のように糸とばねの接点における張力は、左側が\(T_2\), 右側が\(T_1\)となります。
ばねはこの力で引っ張られているので(図7)、フックの法則\(F=kx\)を用いて
\(
\begin{align*}
F &= kx\\
T_1 &= kx\\
mg &= kx\\
x &= \frac{mg}{k}\\
\end{align*}
\)
と求まります。上式では、ばねの右側に働く張力\(T_1\)を用いて求めましたが、
左側に働く張力\(T_2\)を用いても、その力の大きさは同じく\(mg\)となるので
結果は変わりません。