高校物理の問題解説: 相対速度

問題:相対速度

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図1に示す様に、車, バス, 人A, 人Bが移動している。以下の問いに答えよ。
問1 人Aから見た車の相対速度を求めよ。
問2 人Bから見た車の相対速度を求めよ。
問3 人Aから見たバスの相対速度の大きさを求めよ。


   

〔解き方〕

   

 〔公式〕

 ◆相対速度の公式 

\(\vec{v}_{AB} = \vec{v}_B – \vec{v}_A \cdots (1)\)

式(1)は観測者から見た対象物体の相対速度を求める公式で、Bを対象物体, Aを観測者としています。分かりやすくするために、式(1)を以下のように変形しておきます。
\(\vec{v} = \vec{v}_{対象物体} – \vec{v}_{観測者}\)
\(\vec{v} = \vec{v}_{対象物体} + (-\vec{v}_{観測者}) \cdots (2)\)
式(2)から、観測者の速度を逆向きにしたベクトルを足し合わせることで、相対速度を求めることができると分かります。 観測者の速度を逆向きにしてしまえば、あとは速度の合成と同じ考え方で計算することができます。

相対速度の詳細はコチラ!(Map)
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速度の合成の詳細はコチラ!(Map)
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〔解答と解説〕

問1

 答え:東向きに\(1.0\,\text{m/s}\)

東向きを正とすると、
\(v_{車} = 4.0\,\text{m/s}\)
\(v_{人A} = 3.0\,\text{m/s}\)
となります(図2)。よって、人Aから見た車の相対速度は式(2)より
\(v = v_{車} + (- v_{人A})\)
\(v = 4.0\,\text{m/s} – 3.0\,\text{m/s} = 1.0\,\text{m/s}\)
と計算できます。計算結果は正の値なので、東向きであると分かります。
※問1では「相対速度」を問われているので向きも答えるようにしましょう。


問2

 答え:東向きに\(7.0\,\text{m/s}\)

東向きを正とすると、
\(v_{車} = 4.0\,\text{m/s}\)
\(v_{人A} = – 3.0\,\text{m/s}\)
となります(図3)。よって、人Bから見た車の相対速度は式(2)より
\(v = v_{車} + (- v_{人B})\)
\(v = 4.0\,\text{m/s} – (-3.0\,\text{m/s}) = 7.0\,\text{m/s}\)
と計算できます。計算結果は正の値なので、東向きであると分かります。
※問2では「相対速度」を問われているので向きも答えるようにしましょう。


問3

 答え:\(5.0\,\text{m/s}\)

バスと人Aの速度の様子を作図すると図4のようになります。
作図された様子から相対速度の大きさ(黄線の長さ)を三平方の定理を用いて計算し
\((v)^2 = (3.0)^2 + (4.0)^2\)
\(v^2 = 25\)
\(v = \sqrt{25}\)
\(v = 5.0\,\text{m/s}\)
となります。
※問3では「相対速度の大きさ」を問われているので向きの記述は回答に含めません。